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オキシドール試験

【読み】
おきしどーるしけん
【英語】
oxydol reaction
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】オキシドール(3%過酸化水素)と検体を反応させ、その発泡の有無、多寡を評価する試験法。
 歯科臨床では、根管内滲出液の評価と膿瘍の切開の時期の判定に利用されている。
【試験法】生体を構成する細胞には多量のカタラーゼまたはパーオキシダーゼが含有されており、これが過酸化水素に接するとこれを分解する。このため外傷などで組織破壊が起こると赤血球の、または細胞内のカタラーゼが放出されて分解された酸素ガスが泡状に発生する。そこで歯槽膿瘍などで歯肉粘膜下に膿汁が貯溜し、波動を触れる時期になると歯肉粘膜は一部崩壊し、また膿汁が滲出してオキシドールを塗布すると、これを分解して該当する粘膜表面に発泡状として観察される。
 また、根尖周囲組織の変化を把握する方法として根管内滲出液の検索にも利用される。その方法は根管内滲出液が付着したブローチ綿線またはペーパーポイントをオキシドールに浸漬し、その発泡性から滲出液中のカタラーゼ、パーオキシダーゼの有無あるいはその消長を観察し、その評価から根尖病巣の病態を推移する方法として用いられる。
 この場合、根管内滲出液でオキシドールと反応するものは、出血がある場合は赤血球中のカタラーゼおよび白血球のパーキシダーゼ(特にミエロパーオキシダーゼ)であり、カタラーゼはパーオキシダーゼに比べて過酸化水素を分解する能力が強い。また血清中にもカタラーゼが含有されるが血液と比較して約1/1000の酵素活性で発泡を示すほどの高い酵素活性はない。