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開口状態の検査

【読み】
かいこうじょうたいのけんさ
【英語】
inspection of open mouth condition
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
 顎関節内およびその周囲組織、また口の開閉運動に関与する筋肉や神経の病変により、開口度に異常を来し、それらの病因の究明はきわめて大切である。
 開口度の測定ないし表示は、手指(横径)の数により何横指とか、メジャーを用い上下顎中切歯の切縁間距離を計測したり、開口測定器(医歯大式)によりその距離を測定する。開口度は40~50mmを正常域とする。
 次に開口障害を来す病因および疾患を示す。
I.顎関節包内の病変
 顎関節強直症
II.顎関節の周囲組織に病変がある場合(顎関節拘縮症)
1.炎症性開口障害
 急性:智歯周囲炎、顎炎、扁桃周囲炎、耳下腺炎、口底炎、顎下リンパ節炎、頬部蜂窩織炎、側頭部膿瘍。
 慢性:急性炎症疾患の慢性移行型、放線菌症。
2.筋性開口障害:骨化性筋炎、梅毒性筋炎、筋離断。
3.瘢痕性開口障害:外傷、火傷、水癌、放射線照射、手術。
4.神経性開口障害
 1)痙攣性開口障害(閉口筋支配神経:三叉神経第III枝の異常攣縮ないし痙攣):破傷風、てんかん、ヒステリー、子癇、脳出血、進行性球麻痺の初期。
 2)麻痺性開口障害(開口筋支配神経:三叉神経第III枝の麻痺):急性小児麻痺の一時期、神経炎あるいは神経損傷。
5.腫瘍性開口障害
6.外傷性開口障害:関節突起頸部骨折、頬骨弓骨折。