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下顎運動検査(電気的)

【読み】
かがくうんどうけんさ(でんきてき)
【英語】
examination of mandibular movement
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】咬合、咀嚼筋や顎関節などの顎口腔系諸器官と上位中枢が調和を保つことによってのみ正常な顎口腔機能が営まれる。すなわち、それらの器官に異常が存在すれば、何らかの機能異常として現われる。下顎運動は顎口腔機能を代表する運動であり、限界運動、習慣的開閉口運動のほかに咀嚼・嚥下・発音などの生理的運動が含まれる。上述のごとくこれらの運動は顎口腔系の状態を反映しているので、下顎運動を検査することにより、逆に咬合、咀嚼筋や顎関節などの状態を診査診断できるのではないかと考えられる。よって顎口腔機能異常(いわゆる顎関節症)の診査・診断を目的とした下顎運動診査は意義深いものである。
【検査法】下顎運動として下顎切歯点の動きを三次元的に記録分析するものである。すなわち、下顎中切歯唇面に付着させたマグネットあるいはLEDの動きを頭部に固定したアンテナあるいはセンサーでとらえ、それを電気的な変化に変換し、必要に応じて再現することが可能なうえ、マイコン内蔵によって、それらのデータを自動分析し、数値あるいはグラフ表示することができる。代表的な検査機器としては、マグネット使用のものに、マンディブラキネジオグラフ(MKG)およびシロナソグラフ(SGG)があり、LED使用のものに下顎運動解析装置、サホンビジトレーナー(ビジトレーナー)がある。
【結果・評価】アナログ的には前頭面、水平面および矢状面における運動方向や経路の概形を、デジタル的には、上下、側方、前後の運動範囲の大きさや運動スピードやリズムなどを正常のものと比較し評価する。ただし、明確な評価基準となるものは、未だ完全には定まっておらず、今後の研究課題といえよう。