顎関節造影法
- 【読み】
- がくかんせつぞうえいほう
- 【英語】
- temporomandibular joint(TMJ)arthrography
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】顎関節の上・下関節腔の一方または両方に造影剤を注入してX線撮影を行う方法である。
【意義・目的】通常のX線撮影では描出できない関節円板をはじめとする顎関節軟部組織を描出し、関節円板の位置や形態の異常、関節円板や円板後部結合組織の穿孔、癒着など顎関節軟部組織の病態を把握することができる。
【適応】顎関節症をはじめ軟部組織に異常が疑われる顎関節疾患に適応される。
【検査法】水溶性ヨード製剤の陽性造影剤による単純造影法とそれを吸引後空気を注入する二重造影法とがある。
造影手技は座位または仰臥位で行われ、顎関節部皮膚表面から経皮的に穿刺針を刺入し、陽性造影剤を入れた注射筒を穿刺針に直接またはコネクターを介して連結し、造影剤を注入する。また、静脈留置用カテーテルで刺入し、内針をぬき同様に行う方法もある。
陽性造影剤注入後、単純X線撮影法あるいは矢状断の断層撮影法により開閉口時に撮影される(単純造影法)。
造影手技はX線テレビ装置による透視下で行えば、手技は確実であり、造影剤の位置と形態や分布状態が把握できる。二重造影法は単純造影法施行後、陽性造影剤を十分に吸引除去し、次いで空気を注入して行われ、矢状断に断層撮影される。
造影剤の量は一般に陽性造影剤の場合、上関節腔で1~2ml位であり、下関節腔でその約2/3程度である。陰性造影剤の場合、上関節腔で1ml位であり、下関節腔ではさらに量は少なくなる。なお、二重造影法は粘稠性の低い陽性造影剤が使われる。
【評価】単純造影法では関節腔内をX線不透過性の造影剤が満たすために顎関節軟部組織にこの造影剤が重積したり、障害陰影となり像が不鮮明となりやすいのに対して、二重造影法では関節腔内面に陽性造影剤を均等に付着させ関節腔をX線透過性の空気で膨らますためコントラストがつき、関節円板をはじめ顎関節軟部組織表面が白線状に明瞭に輪郭されたレリーフ像が描出される。そのため、関節円板の位置的変化、関節円板や円板後部結合組織の穿孔、癒着に加え、関節円板の形態など軟部組織の状態や関節腔内の状態が比較的正確に把握できる。