顎関節断層撮影法
- 【読み】
- がくかんせつだんそうさつえいほう
- 【英語】
- tomography of temporomandibular joint
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】顎関節部の断層撮影法である。側面、前頭面、および(体)軸面における撮影法がある。また広角断層撮影法および狭角断層法(ゾノグラフィ)に分けられる。同時多層断層撮影法も用いられる。
【目的】一般的には単純撮影では重積のために観察できない顎関節局所の骨構造の断面を観察する。
【適応疾患名】顎関節疾患
【検査法】
1)生理的状態を考えて、座位で行うのが望ましい。
2)照射野が狭いほうが像は鮮明である。
3)側面断層撮影法の場合には、断層截面の方向の設定に3通りある。正中矢状面に平行あるいは、下顎頭長軸に垂直に設定する場合と、平均的な(水平角を有する)長軸を仮定してそれに垂直な断層截面を設定する場合である。また、皮膚面や眼眥(眼角)から顎関節までの距離を推定して断層深度が設定されるが、個々の下顎頭長軸の水平角をあらかじめ体軸位撮影法で求め、長軸に垂直な断層截面を設定したほうが下顎頭の輪郭は鮮明であり、断層深度の設定もより容易で確実である。
4)前頭断層撮影の場合には、前頭面に平行な断層截面を設定し、左右顎関節を同時に撮影する方法と、下顎頭長軸に平行に断層截面を設定し、片側ずつ撮影する方法がある。
5)一般に、ハイポサイクロイダル軌道やスパイラル軌道を、管球運動として用いれば、比較的鮮明な断層像が得られるといわれている。