カタラーゼ反応
- 【読み】
- かたらーぜはんのう
- 【英語】
- catarase reaction
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】酵素カタラーゼの触媒作用によるH2O2+H2O2→O2+2H2O過酸化水素の分解反応をいう。
【意義・目的】カタラーゼは、動物、植物、微生物の好気的細胞に広く分布する。動物では肝、赤血球、腎に多い。肝や腎の細胞内では主としてペルオキシゾームと呼ばれる小顆粒の中に、尿酸オキシダーゼ、D-アミノ酸オキシダーゼ、L-α-オキシ酸オキシダーゼなど、それぞれの基質に作用して過酸化水素を発生する諸酵素とともに存在するほか、細胞質の可溶性部分にも含まれている。
【検査法】
1)呈色反応:カタラーゼにはカタラーゼ作用とペルオキシダーゼ作用がある。
H2O2+H2O2→(カタラーゼ)→2H2O+O2………(1)
H2O2+AH2→(カタラーゼ)→2H2O+A……(2)
(Aは基質)(1)はカタラーゼ作用、(2)はペルオキシダーゼ作用である。
ペルオキシダーゼ作用における水素供与体としてアルコールを用いると
H2O2+CH3OH→(カタラーゼ)→HCHO+2H2O
H2O2+C2H5OH→(カタラーゼ)→CH3CHO+2H2O
の反応によりアルデヒドが形成される。これにアセチルアセトンとアンモニウ塩を加えると、縮合反応が生じ、黄色色素ができる(Hantzsch反応)。
2)アルデヒドデヒドロゲナーゼとの共役:カタラーゼのペルオキシダーゼ作用により生成されたアルデヒドにNAD(P)+(酸化型ピリジンヌクレオチド)存在下で、アルデヒドロゲナーゼ、ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼなどを働かせ生成されるNAD(P)H(還元型ピリジンヌクレオチド)を340nmの波長で測定する。
【結果・評価】担癌生体では例外なく肝カタラーゼが減少するが、これも生合成の阻害によるものであるが、赤血球カタラーゼヘの影響は少ない。無カタラーゼ症および低カタラーゼ症(正常人の1/2のカタラーゼを有す)が遺伝的疾患として発見されているが、患者は口腔壊疽の病像を示すことが多い。カタラーゼの不活性化によるものではなく酵素蛋白そのものの欠損に基づいている。