喀痰検査
- 【読み】
- かくたんけんさ
- 【英語】
- examination of sputum
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 喀痰は下気道(気管、気管支)、肺胞から排出する分泌物で、その中にはリゾチーム、分泌型免疫グロブリンA、免疫グロブリンGなどに含まれる抗体などがあるので、感染に対する免疫上の意義は大きい。
検査には次のものがある。
1)肉眼的検査:痰の性状(量、色調、層の形成、臭気)は疾患、病態ないし病期の推移などを知るに重要である。たとえば、漿液性から粘液性の変化は急性期から回復期ないし慢性期への移行を示し、膿性は気道や肺の化膿性炎症を示唆する。さび色痰は急性肺炎、血痰は気管支拡張症、肺癌を示唆する。また、粘稠な痰あるいは多量の痰は多くの場合気道の閉塞性換気障害を伴っていることを示す。
次のように分類される。
(1)粘液性痰
(2)粘液膿性痰
(3)膿性痰
(4)漿液性疾:希薄で水様、泡沫状を呈し、粘稠度が最も低い。肺水腫、気管支炎の早期、肺結核症にみられる。
(5)漿液膿性痰(3層形成床)
(6)さび色痰
(7)血痰
2)顕微鏡的検査
(1)直接塗抹標本にグラム染色、チールネルセン染色および蛍光染色(抗酸菌の検出)、パパニコロー染色、ギムザ染色、ハンセル染色(癌細胞の検出)などが行われる(喀痰細胞診)。
(2)新鮮塗抹標本から虫卵、仔虫などの検出が行われ(虫卵検査)、さらに染色して細胞診が行われる。
3)細菌培養(喀痰培養:喀痰洗浄培養法)
(1)一般細菌
(2)結核菌
(3)真菌
(4)嫌気性菌
(5)マイコプラズマ
(6)ウイルス
4)粘度
5)生化学的検査:免疫グロブリンA、糖蛋白、ムコ多糖類。