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カドミウム反応(血清カドミウム反応)

【読み】
かどみうむはんのう(けっせいかどみうむはんのう)
【英語】
cadomium reaction、CdR
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】血清膠質反応による肝機能検査法の1つで、塩化カドミウムに対する血清蛋白の膠質不安定性を熱凝固によって検査する方法。
【意義・目的】血清膠質反応に関与する肝機能診断法としてTTT、ZTT、CdRなどの簡易な血清綿状反応が肝機能検査として用いられ、これらの反応は血清蛋白におけるアルブミンの減少、膠質の綿状沈澱を抑制するアルブミンの能力の変化、著しい沈澱効果を有するγ-グロブリンの増加などの種々の因子と密接な関係をもつことが明らかとなり、異常蛋白代謝に対する肝機能の簡易検査法として重要であることが認識されるようになった。これらの綿状反応の原理は各々類似しており、肝疾患に特異的な検査ではないが、肝障害の発見あるいは鑑別診断に対し各々異なった価値を有し、CdRはその1つの検査法である。
【適応疾患名】肝硬変症、亜急性肝萎縮症、カラアザール、肝癌、胆嚢癌、肝膿瘍、胆道炎、重症黄疸、Weil病、胃癌、ネフローゼなど。
【検査法】0.1g/dl塩化カドミウム2.0mlから0.4mlまで試験管12本を用意し、水を3.0mlから4.6mlまでを各々混入し、各試験管中に血清を0.1mlずつ加えて混和し、沸騰水浴中に15分間静置し、凝固反応が何本目までに起こるかを判定する。試験管の試薬量の10倍を被検血清の凝固価とする。記号はRを用い、12本の記号はR20、R18、R16、R14、R12、R10、R9、R8、R7、R6、R5、R4とする。
【正常値】R8、R7、R6、まれにR5、またはR9を含む。なおR20、R18、R16、R14、R12、R10、R9を左側反応、R5とR4を右側反応と呼ぶ。
【結果・評価】増殖性病変では左側反応、炎症性病変、悪性腫瘍、ネフローゼなどでは右側反応を呈する。CdRは左側反応で変化領域が広く、かつ鋭敏な特長を有する。
 右側反応を呈する疾患:肝硬変症、亜急性肝萎縮症、カラアザールなど。
 左側反応を呈する疾患:肝癌、胆嚢癌、肝膿瘍、胆道炎、重症黄疸、Weil病、胃癌、ネフローゼなど。