カリウム
- 【読み】
- かりうむ
- 【英語】
- Kalium、K
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】カリウムは、細胞内液中に存在する陽イオンで、その代謝と変動は他の電解質、体液移動、体内の酵素反応、糖代謝、神経筋肉の興奮性の維持と密接な関係をもっている。生体での細胞内カリウム濃度は、60~120mEq/l、45~50mEq/kg体重で、体内総カリウム量の98%が細胞内に存在し、2%が細胞外液中に含まれる。このため、血清カリウム濃度を知ることにより、体内カリウム増減による臨床症状を知るうえで重要な手段である。
【適応疾患名】腎疾患、心疾患、副腎疾患、下痢、インスリン使用時。
【検査法】
1)原則として、早朝空腹時採血をする。
2)採血後は、すみやかに血清分離を施行する。
3)全血冷所保存しない。
4)抗凝固剤にはヘパリンを用いる。
このようにして得られた血清を炎光光度計を用い計測する。
【正常値】3.7~4.8mEq/l(炎光光度法)。
【結果・評価】低カリウム血症(3.5mEq/l以下)は主にカリウム摂取不足、細胞内への移動障害、消化管からの喪失、腎臓からの喪失、発汗による過剰な喪失によるものである。また、高カリウム血症(5.5mEq/l以上)は、経口ならびに静脈内過剰没与でも認められるが、特に腎機能障害による影響が強い。とりわけ急性腎不全時の蛋白異化亢進とアシドーシスによる細胞内からのカリウムの移動によるものがある。