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カルシウム(血液、尿)

【読み】
かるしうむ(けつえき、にょう)
【英語】
Calcium(blood、urine)、Ca++
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】体内のカルシウムの99%は骨に、残りの1%が他の組織に存在している。この1%のカルシウムが各種酵素系の活性化、筋肉組織の収縮、神経刺激伝導、血液凝固、細胞膜や毛細血管の透過性などの調節作用をもっている。血液中のカルシウムはほとんどが血漿中に存在し、半分は蛋白に結合している。残りの半分のイオン型Ca++が主にカルシウムの生理的機能と骨の代謝に関与している。また、尿中カルシウム量は血液中のカルシウム濃度によって影響される。カルシウムはリン、アルカリホスファターゼと密接に関連して変化することが多いので、三者の変化を考慮して総合的に判定する必要がある。
【適応疾患名】血液中、尿中のカルシウム量はカルシウムの吸収異常、骨疾患、副甲状腺機能異常、腎疾患、悪性腫瘍、膵臓疾患など。
【検査法】(1)シュウ酸塩沈澱-KMnO4滴定法、(2)キレート滴定法、(3)比色法、(4)電極法、(5)原子吸光法、(6)炎光光度計法。現在は原子吸光法が比較的簡単で特異性が高いのでアメリカNBSの標準測定法に指定されているが、我が国では炎光光度計法で測定しているところが多い。炎光光度計法は原子吸光法に比較して共存イオンの影響が多く出るという問題を含んでいる。しかし、イオン型カルシウム量と総カルシウム量を別個に測定する方法はまだ実用化されていない。
【正常値】
 8.0~11.0mg/dl(血清中)
 0.13~0.3g/day(尿中)
【結果・評価】
高Ca値:骨組織破壊、神経麻痺、食餌性、サルコイドーシス:P↑。
      原発性副甲状腺機能亢進症:P↓。
低Ca値:副甲状腺機能低下症、尿毒症、テタニー:P↑。
      吸収不全症侯群、クル病、アシドーシス:P↓。