肝炎ウイルス関連抗原・抗体検査
- 【読み】
- かんえんういるすかんれんこうげん・こうたいけんさ
- 【英語】
- examination of hepatitis virus-as-sociated antigens and antibodies
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 肝炎ウイルスにはA型(HAV)、B型(HBV)および非A非B型肝炎ウイルスがある。HAVおよびHBVには関連抗原・抗体が解明されているが、非A非B型に関しては不明である。
I. HAV関連抗原・抗体
血中におけるHAVに対する抗体(HA抗体)には、免疫グロブリンのIgMに属するIgM型HA抗体と、免疫グロブリンのIgGに属するIgG型HA抗体がある。
【HA抗体測定法】
1)IgM型HA抗体:ラジオイムノアッセイ放射免疫測定法(RIA法)
2)IgG型HA抗体:RIA法、補体結合反応(CF)、免疫粘着血球凝集法(IAHA)
II. HBV関連抗原・抗体
HBVは直径42mmの球型粒子で、電子顕徴鏡像ではDane粒子という。外被の抗原がHBs抗原(オーストラリア抗原)、芯の抗原にはHBc抗原およびHBe抗原があり、さらに芯の内部には二重鎖DNA、DNAポリメラーゼpolymeraseが存在する。また、HBs抗原はHBV(Dane粒子)の外被以外に、それのみで直径22mmの小型球形粒子、および管状粒子として血中に存在する。HBe抗原も血中に蛋白として存在する。各抗原に対する抗体がそれぞれHBs抗体、HBc抗体、HBe抗体である。HBc抗体には免疫グロブリンのIgMに属するIgM型HBc抗体と免疫グロブリンのIgGに属するIgG型HBc抗体がある。
【測定法】
1)HBs抗原・抗体
(1)HBs抗原:免疫拡散法(MO)、電気泳動法(ES法)、一元免疫拡散法(SRID法)、逆受身赤血球凝集反応(RPHA法)、免疫付着赤血球凝集反応(IANA)、RIA、EIA。
(2)HBs抗体:ES法、受身赤血球凝集反応(PHA)、RIA
2)HBc抗体:RIA
3)Hbe抗原・抗体:MO、RIA