換気量測定
- 【読み】
- かんきりょうそくてい
- 【英語】
- respiratory volume、RV
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】肺にガスが出入りすることを換気ventilationという。その大きさは、1回換気量TV、換気数(呼吸数)RR、分時換気量すVE、最大換気量MVV、として表わすのが基本である。その他換気量の特殊検査として死腔換気量VD、肺胞換気量VA、換気予備量BR、換気予備率VRがあげられる。
【意義】換気は、肺、胸部の機械的性質、神経・筋の状態、中枢機能などの多くの因子が関与している。スクリーニング検査の1つである換気量の測定によって、呼吸機能障害の有無、およびその程度の大まかな把握が可能となる。
【検査法】
1)1回換気量TV:安静時における1回の呼吸量、最近ではスパイロメータを用いて測定される。
2)分時換気量VE:1分間の呼吸量を意味する。1回換気量TVに換気数(呼吸数)RRを乗じて求める。
3)最大換気量MVV:可能な限り大きい、速い呼吸を15秒間行い、その換気量1分間あたりの値に換算し表わす。スパイロメータを用いて測定する。
4)死腔換気量VD:換気量のうち解剖学的死腔に入りガス交換に関与しなかったガス量をいう。解剖学的死腔(成人:150ml)に換気数(呼吸数)RRを乗じて求める。
5)肺胞換気量すVA:分時換気量から死腔換気量を除いたもの。有効な換気を示す重要な指標である。臨床ではPaco2の測定で肺胞換気量を推定する。
【結果】
1回換気量TVの低下:肺、胸郭などの運動障害、肺気腫。
分時換気量VE:分時換気量VEの結果を判定に使用することはない。
最大換気量MVVの低下:呼出性換気障害気道抵抗の増大、上気道閉塞。