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基礎代謝率

【読み】
きそたいしゃりつ
【英語】
basal  metabolic rate
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義】 空腹にて静臥し、心身ともに絶対安静にして、神経も筋肉も消化機能もほとんど働いていない状態における新陳代謝を基礎代謝という。甲状腺ホルモンの分泌過多により亢進するため、甲状腺機能診断上重要な意義がある。
【検査法】 検査の前日、被検者は心身ともに過労な動作を避け、夜10時前に就寝する。前日の夕食は5~7時に適当にとり多量の飲食を避ける。それ以後は興奮性飲料、間食、薬物投与を禁ずる。当日朝はまったく飲食物をとらず、禁煙とし、運動、読書、談話を禁ずる。最後の食事は測定の12時間以上前とする。検査の少なくとも30分前より測定台上に安静仰臥させておく。着衣をゆるめ、検査室のドアを閉じ、測定者以外の同居を禁ずる。被検者には検査の目的、呼吸の仕方などをよく説明し不安を抱かせないようにする。なお、女性は月経時を避ける。
 測定に現在よく用いられているのは、閉鎖循環式の無水式基礎代謝測定法である。測定にあたっては、
 1) CO2吸収装置にソーダライムを入れる。
 2) 蛇腹の中にO2を入れる。
 3) 被検者にノーズクリップ、マウスピースをつけ、蛇腹内のO2を吸収させ、6分間以上呼吸曲線を記録する。
 4) 記録紙を切りとり、呼吸曲線の頂点(安静呼気位)を結ぶ、O2消費量計算用の物差しを用いて、0℃、1気圧で水蒸気を含まない状態における毎分のO2消費量を求める。
 基礎代謝量(Cal/平方メートル/時間)=1時間のO2消費量×O2 1l消費時のCal/体表面積
 O2 1l消費時のCalは、呼吸比を0.82と仮定すると4,825Cal
 基礎代謝率=基礎代謝量-標準値/標準値×100
【正常値】 基礎代謝率は±10%が生理的動揺範囲である。
【結果・評価】 正常範囲を上回るときは甲状腺機能亢進が、下回るときは甲状腺機能低下が最も疑われる。