凝固時間検査
- 【読み】
- ぎょうこじかんけんさ
- 【英語】
- coagulation time test(whole blood clotting time test)
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】血液を生体外に取り出したときに凝固するまでに要する時間の測定。
【意義・目的】血液は血管から出ると凝固する。凝固の機転はたいへん複雑であるが、最終的にはフィブリノーゲンがトロンビンの酵素作用で、不溶性のフィブリンに変化して凝固が起こる。この反応にもCa++などの因子が関与し、トロンビンは血漿中のプロトロンビンが活性トロンボプラスチンの作用により作られる。さらに活性トロンボプラスチンも非常に複雑な過程を経て形成される。このような凝固因子が不足したり、血液中に抗凝血素が増加したり、フィブリン溶解が亢進したりすると凝固時間が延長する。凝固時間は凝固反応の終点までの時間を測定するのであり、凝固因子の減少についてや凝固過程について知ることはできない。
凝固時間は、測定法により一定でないので、測定法を記さなければ意味がない。本項では現在、最もよく用いられているLee-White法について記載する。本法は静脈血を用いるので組織液の混入はなく、また温度(37℃)などの測定条件も、一定になっている。
【適応】血友病のような凝固因子障害による出血傾向の検査。
【検査法】Lee-White法
1)静脈血を採取し、2本の清浄な口径10mm前後の小試験管に1mmずつ分注する。採血時血液が注射器内に流入し始めた時刻を測定開始時とする。
2)試験管を37℃恒温槽内に立て2分静置する。
3)その後30秒ごとに1本の試験管を傾斜させ、血液の流動性のなくなったとき、2本目の試験管についても同様の操作を行い、流動性を失ったときを凝固時間とする。
【正常値】7~12分(Lee-White法)
【結果・評価】これより凝固時間が延長すれば凝固遅延、短縮すれば凝固促進状態が疑われる。