起立試験
- 【読み】
- きりつしけん
- 【英語】
- orthostatic test
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【同】体位変換試験
【定義】仰臥位と立位時の血圧、脈拍数、心電図などの変化を比較する循環調節機能検査法であり、自律神経機能検査の1方法でもある。
【意義・目的】仰臥位から立位になったとき循環血液量の移動によって、血圧、脈拍数、心電図に変化をもたらすものであるが、頸動脈洞、大動脈弓、左心房などにある受容体を介して心血管系が作動し、恒常性を保持しようとする。循環調節機能、あるいは自律神経機能の障害によって、恒常性の保持が不可能となる。
【検査法】
1)安静仰臥位にして、2~3分ごとに血圧、脈拍数を安定するまで2回以上測定し、心電図を記録する。
2)次いで起立させ、その直後および2分ごとに10分聞、血圧、脈拍数、心電図を記録する。
3)測定中は被検者に不安を抱かせぬように事前に説明し、検査中は談話をしない。
【結果・評価】健常者で立位になったとき、収縮期圧は不変または5~10mmHg低下、拡張期血圧は不変または5~10mmHg上昇、脈拍数は1分間に10~12増加する。収縮期圧が20mmHg以上下降し、脈拍数が1分間に20以上増加した場合、陽性所見として、末梢血管の緊張低下、自律神経失調による起立性調節障害、起立性低血圧などの患者にみられる。なお、心電図で起立時のT波が2mm以上の変化のあるとき、陽性所見とする。