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クームス試験

【読み】
くーむすしけん
【英語】
Coombs test
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【同】抗グロブリン試験
【意義・目的】不完全抗体の検出を目的とした検査で、直接クームス試験と間接クームス試験がある。直接クームス試験は赤血球表面に吸着されている不完全抗体を、間接クームス試験は血清中に存在する不完全抗体を検出する方法である。一般に不完全抗体はグロブリンであるので、抗グロブリンを作用させることにより不完全抗体の存在の有無を赤血球の凝集の有無として可視的に見ることができる。したがって別名抗グロブリン試験ともいわれている。
【適応】自己免疫性溶血性貧血の診断には不可欠であり、不適合輸血、新生児溶血性疾患、ペニシリン系薬剤あるいはある種の動脈硬化治療剤の投与、まれに鉛中毒でも陽性に出ることがある。
【検査法】
1.直接クームス試験
1)少量の被検者赤血球を生理食塩液で3~4回洗浄した後、生理食塩液で2%の血球浮遊液をつくる。
2)抗グロブリン血清の1~2滴を小試験管にとり、これに2~5%血球浮遊液1滴を加える。
3)対照として、感作されていない血球をABO式の同型の健康人からとり、その2~5%浮遊液を作り、2)と同様に抗グロブリン血清に加える。
4)ただちに1000~1500rpm 1~2分遠心後、試験管を軽く振って、肉眼的に凝集の有無を検する。抗グロブリン血清によっては37℃に30~60分放置する必要がある。
5)対照に比して、はっきりした凝集が本試験のいずれかの試験管に認められれば陽性である。
2.間接クームス試験
1)O型赤血球の2~5%生理食塩液浮遊液を作る。
2)被検者の血清をとり、これに同量の上記血球浮遊液を加え、37℃で30~60分加温する。この間に赤血球は感作される。
3)この赤血球を遠心し、生理食塩液で3~4回洗って、2~5%赤血球浮遊液とする。
4)以下直接クームス法と同じ操作を行い、同様に判定する。