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グラム染色

【読み】
ぐらむせんしょく
【英語】
Gram’s stain
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】最も一般的に用いられる細菌染色法である。グラム陽性菌とグラム陰性菌との染め分けを行い、細菌の種属同定に欠くことのできない重要な染色法である。色素液の安定性、対比色の美しさなどから、Huckerの変法が広く用いられている。組織内細菌染色法として組織切片について行われることがある。
【検査法】
1)塗抹、乾燥、固定。
2)クリスタル紫液で1分間染色。
3)簡単に水洗。
4)ルゴール液を繰り返しかけて、1分間作用させる。
5)水洗、濾紙で吸収。
6)純アルコールを静かに注ぎ、軽くゆすりながら色素液が溶け出さぬ程度まで、純アルコールを数回かえて、約30秒間作用させる。
7)軽く水洗、濾紙で吸収。
8)サフラニン液で1~2分間染色。
9)水洗後、乾燥させ鏡検。
【結果・評価】グラム陽性菌は濃紫色に、グラム陰性菌は赤色に染まる。単染色に比べて細菌はやや大きくみえる。細胞その他の背景がグラム陰性に染まるため、グラム陽性菌の証明は容易であるが、グラム陰性菌は背景との対比が悪いため、発見されにくくなる。また、グラム不定菌があるため注意を要す。