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クレアチニンクリアランス

【読み】
くれあちにんくりあらんす
【英語】
creatinine clearance、Ccr
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【同】内因性クレアチニンクリアランス
【意義・目的】生体内で常に一定量が産生されている内因性クレアチニンを用いた腎クリアランス試験で、糸球体機能評価に使われる糸球体濾過値GFRを示すと考えてよい。このような腎クリアランス試験は、腎機能の程度、慢性腎不全時の食事蛋白の指導、抗生物質などの薬物投与量の決定、腎疾患の予後推定などに重要な情報である。
【検査法】Ccrは尿量が少ないと誤差が大きく出るので、利尿のため水負荷を行うが、著しい腎障害や心不全で負荷できない場含、前立腺肥大や神経質な患者で一定時間内に完全な排尿ができない場合などでは、24時間蓄尿でクレアチニン測定するほうが正しい検査結果が出る。より簡便、な方法として、1~2時間内因性Ccrは外来患者にむいている。
1~2時間法:(1)完全排尿後、300~500ml飲水。(2)飲水約1時間後に完全排尿、排尿終了時の時刻を試験開始とする。(3)試験開始30分後採血(クレアチニン測定用)。(4)開始1時間後完全採尿、終了時間を正確に記録。(5)完全採尿の尿量と経過時間から、1分間の尿量算出。(6)身長・体重より体表面積を求める。(7)クレアチニン定量。
開始1時間半後第2回採血、2時間後第2回採尿を行い、2回の平均値から誤差を少なくすることもある。
Ccr(ml/min)=UN/PX1.48/A
U:尿中クレアチニン濃度(mg/dl)
P:血清クレアチニン濃度(mg/dl)
V:1分間尿量(ml)A:体表面積(m2
1.48:日本人平均体表面積24時間法:早朝完全排尿後24時間蓄尿し、尿量、尿中クレアチニン濃度Uを求め、昼食前に採血し血中クレアチニン濃度を求める。
24時間Ccr(l/day)=U/PX24時間尿量(l)X1.48/A
(ml/min)=UV/PX1.48/A(V=24時間尿量/60X24)
【結果・評価】性差・年齢にもよるが、男女平均100ml/min(正常限界70~130ml/min)
・Ccr値による腎障害の分類
 正常71ml/min以上   軽度障害51~70ml/min
 中等度障害31~50ml/min   高度障害30ml/min以下。
Ccrが30ml/min以下になると、血清クレアチニンが上昇し始め、Ccrが10ml/minを割ると、急速に上昇し尿毒症となる。