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クロージングボリューム

【読み】
くろーじんぐぼりゅーむ
【英語】
closing volume、CV
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】吸気時においては、肺底部は肺上部に比して肺が拡張しにくく、さらに残気量位においては細気管支の閉塞を起こしやすいといわれている。細気管支の閉塞がはじまってから残気量位までの気量をクロージングボリューム(CV)といい、細気管支の閉塞性疾患を早期発見するために利用されている。
【検査法】(N2 resident gas法)
最大呼気位まで呼出させ、O2を最大吸気位までゆっくりと吸入させる。そこから最大呼気位までゆっくり呼出させ、そのとき口の部分においてN2濃度を測定する。はじめは気道部分の100%O2が呼出されるためN2濃度は0%であり、続いて肺胞気が呼出されるとN2濃度が急上昇し、肺上部と肺底部から均等に呼出されている間はN2濃度は緩やかに上昇する。肺底部の細気管支が閉塞してくるとN2濃度の高い肺上部から呼出されることになりふたたびN2濃度が上昇する。この点から最大呼気位までをCVという。O2の代わりにXe、Ar、Heなどの指標ガスを吸入させるbolus法がある。
【正常値】健康成人においては、クロージングボリューム(CV)の点は機能的残気量(FRC)と最大呼気位(RV)の間にあれば正常といえる。
CVがFRCより大きくなると安静呼吸時にも細末気管支の閉塞が考えられる。
【結果・評価】クロージングボリュームは肺内ガスの分布状態を評価するものでありCV/VC%を指標とすることが多い。CV/VC%の漂準値として1.9+0.36×年齢(±3.1)(McCarthy)などがある。CVの増加は,血流換気不均等を伴うのでA-aDo2は増大傾向を示す。