血液出血時間測定
- 【読み】
- けつえきしゅっけつじかんそくてい
- 【英語】
- determination of bleeding time
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】出血時間とは皮膚毛細血管穿刺によって出血した血液が、自然に止血するまでの時間をいう。出血時間の測定は止血機能を総合的に評価するので、出血性疾患診断のスクリーニングテストとしての価値は大きい。出血時間は主として毛細血管の収縮性と、血小板の粘着能に影響される。
【検査法】
1)Duke法:(1)Franck針の刃を3~4mmの長さに調節しておく。(2)耳朶あるいは指頭をアルコール綿などで消毒後、Franck針あるいは小尖刀で穿刺する。創は最初の出血斑の大きさが、10mmぐらいになるようにする。皮膚穿刺と同時に秒時計を始動させる。(3)30秒ごとに湧出する血液を濾紙で吸い取る。(4)濾紙への吸収血斑はしだいに小さくなるが、直径が1mm以下になったならば秒時計を停止させる。この時間を出血時間とする。
2)Ivy法:(1)上腕に血圧測定用マンシェットを捲き、40mmHgの圧を加える。(2)圧を加えながら前腕内側皮膚にDuke法と同様のFranck針あるいは小尖刃で穿刺を行う。その瞬間に秒時計を始動させる。(3)出血血液を30秒ごとに濾紙に吸着させる。(4)濾紙面に吸着する出血斑は次第に小さくなり、直径1mm以下になった時に秒時計を停止する。この時間を出血時間とする。
【正常値】Duke法では6分以内、6分以上は異常、Ivy法では7分以内である。
【結果・評価】血小板が減少すると出血時間は延長する。たとえば再生不良性貧血、血小板減少性紫斑病がその代表例である。出血時間と血液凝固時間は必ずしも平行せず、凝固因子に異常があっても、出血時間は延長しない。実際の手技でDuke法では、最初の出血斑の大きさと、出血時間に関係はないが、穿刺創が浅すぎると出血時間は短縮する。さらに血液が出ないからといって穿刺創を指頭でおしたりすると、組織トロンボプラスチンが混入して成績が変化する。症例によっては10分以上持続する場合があるが、10分以上の測定は患者に負担を与えるだけで、その測定は無意味である。Ivy法は二次出血時間を測定しているので、内因性凝固異常を反映している。本検査は毛細血管収縮因子を除外しているので、検査成績はバラツキが少ない。