血液薄層塗抹標本
- 【読み】
- けつえきはくそうとまつひょうほん
- 【英語】
- blood smear
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【同】血液塗抹染色標本
【定義】血液をスライドガラス上にうすく塗った標本で、固定、染色を施し、血液像の観察に供する。
【目的】各種の血液疾患の診断ならびに血液像の変化を観察することを目的とし、赤血球形態、白血球形態の観察および分類を行う。
【適応疾患名】
赤血球の形態異常:貧血、悪性腫瘍、白血病、紫斑病、肝硬変、栄養不良など。
白血球の形態異常:白血病、悪性腫瘍、貧血、感染症など。
【検査法】
1)スライドガラスを貯蔵瓶より取り出し、十分に清拭する。
2)引きガラスとして血球計算板用カバーグラスも清拭しておく。
3)耳朶に小刀を用いて小さな刺創を作り出血させる。
4)第1滴を拭いすて第2滴を引きガラス中央にとり、その辺縁をスライドガラス上に密接させ、すみやかにかつ平等な速度で引きガラスを浮かせぬように塗抹する。
5)すみやかに乾燥させる。
6)メタノールで固定を施し、染色を行う。染色は普通ギムザ染色を施す。
【正常値】この標本によって通常白血球の形態を観察することが多い。正常値は次のとおり。
桿状核好中球:4.5%(3~5)
分葉核好中球:49.0%(45~55)
好酸球:3.0%(2~4)
好塩基球:0.5%(0~1)
リンパ球:38.0%(25~45)
単球:5.0%(2~7)
【結果・評価】桿状核好中球の増多は急性感染症にみられ、減少はチフス、マラリヤ、悪液質、薬剤による造血器障害などにみられる。幼若型の出現は白血病など悪い徴候である。