専門情報検索 お試し版

血液比重

【読み】
けつえきひじゅう
【英語】
blood specific grauity
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】血液比重は血液の濃縮、脱水などを反映し、少量の試料(血液)で簡単に測定できる。なお、全血比重および血漿比重からノモグラムを用いてHb濃度、Ht値、血漿蛋白濃度を同時に推定できる。
【適応疾患名】
1)全血比重の低下:貧血、脂質増加など。
2)血漿比重の低下:低蛋白血症、高脂血症。
【検査法】全血比重測定の方法には、硫酸銅法、秤量法、間接的浮秤法、沈降時間法などがある。このうち、硫酸銅法が既製の試薬の市販、簡単な操作手順、精度の信頼性などから頻用される。
硫酸銅法:比重の異なる硫酸銅基準液中に全血または血漿の1滴を滴下し、いずれかの基準液中で浮きも沈みもしないことを確認することにより、その血液または血漿の比重をもとめる。硫酸銅基準原液(比重1.100)から全血比重測定用基準液を調整する場合は、比重0.001間隔で1.035~1.075とする。血漿比重測定基準液は、比重0.001間隔で1.015~1.036に調整する。採血は、うっ血を避け、全血の場合は採血直後に針さきから1滴、基準液の液面、約1cm上方から滴下する(採血後、抗凝固薬入りの試験管にとって混和してから、毛細管ピペットで滴下する方法もある)。血漿の場合、毛細管ピペットにより基準液の液面、約1cm上方から滴下する。滴下した血液または血漿の1滴が、液下面約2~3cmまで沈下する。静止すればその基準液の比重を、求める血液比重または血漿比重とする。
【正常値】
全血比重:男l.055~1.063、女1.052~1.060
血漿比重:1.024~1.029
【結果・評価】
1)全血比重への影響はヘモグロビン濃度が最も大きく、血漿比重は血漿蛋白濃度に左右される。
2)採血時に使用される凝固阻止薬・ヘパリンについては、血液1mlに0.4%溶液0.05ml、すなわち0.2mgを用いて4~5時間以内に測定を行えば、測定値に影響しない。
3)献血供血者のチェックの際、全血比重が1.052以下の検査値では供血不適当となる。