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血管造影法

【読み】
けっかんぞうえいほう
【英語】
angiography
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】 血管内に造影剤を注入してX線撮影を行い、血管をX線写真上で観察できるようにする方法である。造影する血管が動脈であれば動脈造影法(arteriography)と呼び、静脈であれば静脈造影法(venography)と呼ぶ。最近は連続撮影装置を用い、動脈に造影剤を注入し、毎秒数枚のフィルムで10数枚撮影し、動脈、静脈をも1回の造影剤の注入で造影するのが一般的である。連続撮影で得られた動脈の造影は動脈相(arterial phase)、静脈の造影は静脈相(venous phase)と呼ばれる。両者の中間で毛細血管に造影剤が存在する次期は毛細管相(capillary phase)、または中間相(interphase)と呼ばれる。血管造影法は造影を目的とする血管の名称をつけて呼ばれる場合(総頸動脈造影など)がある。造影剤を注入する血管と造影を目的とする血管が同一の場合も多い。動脈に造影剤を注入する方法に二通りある。1つは造影を目的とする動脈またはその動脈より中枢側の動脈に針を刺入し(動脈穿刺と呼ぶ)、その針を通して造影剤を注入する方法である。他の方法は目的とする動脈より離れた動脈にセルジンジャー法(経皮的にカテーテルを動脈内に挿入する方法)によって動脈内にカテーテルを挿入し、レントゲン透視下にカテーテルの先端を目的とする動脈へ誘導し造影剤を注入する。血管造影に拡大撮影、立体撮影、血管断層撮影(angiotomography)、X線映画法(cineangiography)、デジタルサブストラクション血管造影(digital substraction angiography ; DSA)などが用いられる。
【意義・目的】 血管の狭窄や閉塞などの血管の内腔の変化、腫瘍による血管の偏位など血管走行と周辺臓器との関係、腫瘍の血管成分や血管奇形などの状態を知るために行われ、全身の血管が造影の対象となる。また近年はカテーテルを用いた血管造影法の手技を応用した経カテーテル動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization ; TAE)、動脈内注入療法(intraarterial infusion)、経皮的血管形成術(percutaneous transluminal angioplasty ; PTA)が行われ、これらはinterventional angiographyと総称される。
【適応疾患名】 血管障害、血管性腫瘍、悪性腫瘍。