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血漿浸透圧測定

【読み】
けっしょうしんとうあつそくてい
【英語】
plasma  osmotic  pressure
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】血漿浸透圧は、体液の水分含有量の変化および低分子量物質の存在を反映するものであり、Na、Clなどの電解質と、糖、尿素によって決定する。浸透圧調節系(視床下部-下垂体後葉-ADH-腎)の異常、あるいは血中溶解物質(糖、尿素、乳酸、ケト酸など)の増加を検出する。
【適応疾患名】
1)高浸透圧血症:高Na血症(Na過剰、脱水、中枢神経障害など)、高血糖(糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧性非ケトン性昏睡など)、高窒素血症、高乳酸血症、高張液輸液などの溶質負荷の場合など。
2)低浸透圧血症:低Na血症(重症浮腫、副腎不全、利尿薬など)。
【検査法】
1)氷点降下法:冷却、結氷、温度測定、浸透圧への換算の手順による。1Osmolの水溶液を作るために溶質に水を加えると、1kgの水の氷結点を1.86℃下げるこの関係を利用して氷点温度から浸透圧を測定する検査法である。現在はosmometerによって、全自動的に測定する方法がほとんどである。
2)蒸気圧法:蒸気圧による露点の変化を測定する方法。
【正常値】285~295mOsm/kg・H2O
【結果・評価】血漿浸透圧は、電解質(主にNa)と血糖値と尿素窒素値から算出される。
なお、血糖および尿素窒素が正常値を示す場合は、血漿浸透圧=1.86×Na(mEq/l)+10の式から概算できる。これらの計算値と実測値の差を。osmolal gapといい、これの増加は、体外からの溶質負荷(エタノールやマニトールなど)、高蛋白血症、高脂血症などの存在を意昧するものである。