血清アルブミン
- 【読み】
- けっせいあるぶみん
- 【英語】
- serum albumin
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】分子量約66,000、610個のアミノ酸からなる単一鎖で、等電点はpH約4.7、熱凝固する。血清総蛋自の50~70%を占める。
【意義】血液膠質浸透圧を維持し、各種物質(カルシウムイオン、脂肪酸、ビリルビン、トリプトファン、各種の薬物など)と結合し、その運搬に重要な機能を営む。臨床的には肝における合成、胃腸管・腎・肝・網内系などによる異化、血管内外における分布の異常、漏出などの諸因子によって変動する。一般に総蛋白濃度と相関するが、体内蛋白代謝異常のよい指漂として重要な意義をもつ。
【適応】種々の病変で血清アルブミン濃度の減少をみる。増加することは普通みられない。減少を来す疾患としては、出血、外傷、火傷、ネフローゼなどによる体外・体内への漏出、栄養失調症、悪性腫瘍の悪液質、糖尿病など栄養の不良な状態、肝硬変、肝癌などによる肝内合成能の低下などがあげられる。血液膠質浸透圧を主として維持しているため、これが減少すると細胞内外の水分分布に影響し、2.5g/dl以下になると浮腫を生ずる。
【検査法】アルブミンと色素との結合による色調の変化を利用してアルブミン濃度を測定する色素法が用いられる。なかでもBCG(bromcresol green)を用いる方法はアルブミンとの結合力が強く、感度も良好で、ビリルビンや溶血の影響が少なく有用である。
1)2本の試験管A、Sを用意し、Aには血清25μl、Sにはヒト結晶アルブミンで作成した標準液25μlをとる。
2)A、S両試験管にBCG使用液(発色試薬)5mlを加えて混合し、25度C30分間放置後発色試薬を対照として630nmで比色し、それぞれの吸光度をEA、ESとする。
3)計算:アルブミン濃度=(EA/ES)X4g/dl
【正常値】3.8~5.3g/dl(色素法)
【結果・評価】呈色時間は血清とアルブミン標準液で異なり、血清では徐々に増強し、約30分で完了する。年齢的に血清総蛋白濃度と同様の変化を示すが、成人の男女差や高齢化に伴う低下は総蛋白より著明。