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血清ビリルビン定量

【読み】
けっせいびりるびんていりょう
【英語】
determination  of serum bilirubin
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】黄疸の早期診断、黄疸の強さの判定、黄疸を起こした疾患の鑑別診断にきわめて重要な検査項目である。
【適応疾患名】黄疸を起こしうる疾患のすべてが対象となる。すなわち、(1)閉塞性黄疸:胆石症、胆道腫瘍、膵頭癌など、(2)肝細胞性黄疸:各種の原因による肝炎など、(3)溶血性黄疸:溶血性貧血、(4)その他:Dubin-Johnson症候群、Rotor症侯群、Gilbert病など。
【検査法】肉眼で比色する方法(Meulengracht法)、分光光度法、アゾ・ビリルビン法(Malloy-Evelyn法、Jendrassik-Grof法)などがある。
1)Meulengracht法(黄疸指数測定法):検査法、正常値、成績評価については、黄疸指数の項を参照。
2)分光光度法(比色による直接定量):455nmにおけるビリルビンの吸光度を測定し、ビリルビン濃度を直接測定する。同時にヘモグロビン吸光度も575mmで測定し、溶血の影響を除外する。
注)この方法による専用の測定装置が市販されている(Bilirubinometer,Bilmeter Dなど)。
3)ジアゾ反応による定量法:ビリルビンとジアゾ試薬とを反応させ、アゾ・ビリルビン(紅色を呈する)とし、光電光度計で吸光度を測定し、検量線からビリルビン濃度を算定する方法である。
(1)Malloy-Evelyn法:この方法では、間接ビリルビンをジアゾ試薬と反応させる(直接化する)ためにメタノールが使われる。まず血清をジアゾ試薬と反応させて直接ビリルビン濃度を知り、次いでメタールを加えた後に総ビリルビン濃度がわかる。間接ビリルビン濃度は、総ビリルビン濃度から直接ビリルビン濃度を差引いて求められる。
(2)Jendrassik-Grof法(Michaelsson変法):この方法は、感度の良い安定したビリルビン定量法で、前法(Malloy-Evelyn法)でのメタノールの代わりに、安息香酸塩-カフェインを使用して間接ビリルビンを直接化する。ジアゾ反応を起こした後に、強いアルカリ性として生じたアルカリ・アゾビリルビン(青色)を比色する。Michaelssonは、この方法をさらに改良し、ダイフィリンを加えて反応液の濁りをなくすようにした。
以上、検査法の原理のみを述べたが、それぞれの方法の詳細については、成書を参考にされたい。
【正常値】血清総ビリルビン濃度:0.2~1.0mg/dl、
血清直接ビリルビン濃度:0~0.4mg/dl
【結果・評価】黄疸の程度と血清総ビリルビン濃度との関連は、1~2mg/dl:潜在性黄疸、2~10mg/dl:軽度の黄疸、10~20mg/dl:中等度の黄疸、20mg/dl以上:高度の黄疸。
溶血性黄疸では、血清総ビリルビンが5mg/dl以上になることは、まれといわれる。