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血清免疫グロブリン測定

【読み】
けっせいめんえきぐろぶりんそくてい
【英語】
Serum immunoglobulinassay
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】 免疫グロブリンは、抗体活性をもつ蛋白群(γ-グロブリン)および抗体活性が不明でも、構造上免疫グロブリンと関連する蛋白源の総称である。ヒト免疫グロブリンの分子構造は、長、短2本ずつ計4本のポリペプチド鎖からなり、それぞれ、H鎖(heavy chain)、L鎖(light chain)と呼ばれ、H鎖の違い(γ、α、μ、δ、ε)により、1964年WHOによってそれぞれの頭文字をとってIgG、IgA、IgMの主要免疫のほかIgDおよびIgEの5つのクラスに分類、命名の統一化が行われた。なお、L鎖は各クラスに共通の成分で、κ鎖とλ鎖の2型がある。
【意義】 血清中免疫グロブリンのうち、最も多いのは、IgGで、免疫グロブリン全体の約80%を占め、IgA、IgMはそれぞれ約10%および5~10%で、IgDとIgEは微量にすぎない。これらの血中濃度は乳児期および小児期では低く、成人値に達するのはIgMで1~2歳頃、IgGが8歳頃、IgAでは12歳頃とされている。
 臨床的にIgG、A、Mの測定が必要なのは、多クローン性高γ-グロブリン血症(数多くの抗体産生細胞の増殖)、単一クローン性高γ-グロブリン血症、(M蛋白血症、特定の抗体産生細胞の増殖による均一性のγ-グロブリンの増加)、原発性免疫不全症、続発性低γ-グロブリン血症などの場合である。
【正常値】
 IgG 650~2000mg/dl
 IgA 60~500mg/dl
 IgM 40~300mg/dl
 IgD 15mg/dl(IgGの1/100)以下
 IgE IgGの1/100以下