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血清リポ蛋白リパーゼ

【読み】
けっせいりぽたんぱくりぱーぜ
【英語】
serum lipoprotein lipase、LPL
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】リポ蛋白リパーゼは、カイロミクロンおよびVLDL中のトリグリセリドを水解する酵素で、末梢組織に遊離脂肪酸を供給するのがその役割である。通常末梢血管内皮細胞表面に存在し、血中にはほとんど認められないが、ヘパリン静注後(Post heparin)に血管内皮細胞組織から血中に遊離してくることが知られており、酵素活性測定はこのpost heparin血漿について行われる。
【意義】リポ蛋白リパーゼ活性測定の主要な臨床的意義は、高トリグリセリド血症におけるトリグリセリド異化過程の障害の有無を知ることにあるが、ヘパリン静注に伴って血中に出現するトリグリセリド水解酵素には、他に肝性トリグリセリドリパーゼ(H-TCL)が存在する。両者は免疫学的性状や酵素反応の至適条件が異なり、その分別のために、ドデシル硫酸ナトリウムや、H-TGL抗血清によりH-TGLを不活性化したり、逆にリポ蛋白リパーゼを抑制するような処理操作が必要となることを知っておかねばならない。
【適応疾患名】
高値を示す場合:肥満症。
低値を示す場合:家族性リポ蛋白リパーゼ欠損症、インスリン依存性糖尿病、末端肥大症、ネフローゼ症侯群、多発性骨髄腫、多発性筋炎などである。
【正常値・評価】先述したように、他の酵素活性との分別のため前処理操作にそれぞれ違いがあり、諸家の報告による健常者実測値を相互に比較して、どれを正常値とするかには異論を生ずる。したがって、個々の測定値は、その検査手法に基づいて評価することが望ましい。