血清リン脂質
- 【読み】
- けっせいりんししつ
- 【英語】
- phospholipid、PL
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義】リン脂質は肝で合成され、HDL、VLDLなどのリポ蛋白に組み込まれて血中および胆汁中に分泌される。このリン脂質はその分子中にリン酸を含む複合脂質であって、蛋白質と一緒になって生体膜の構成に関与している。したがって、物質の輸送や細胞分裂、膜結合性酵素の活性制御など、生体膜の生理的役割に大きく関与している。
血清リン脂質は肝臓で生合成され代謝されるので、肝機能障害時に低下する。また生合成ののち胆汁中にも放出されるので閉塞性黄疸の場合にも上昇する。
【適応疾患名】閉塞性黄疸、ネフローゼ、糖尿病、本態性脂質代謝障害。
【正常値】年齢、性別によって差があり、生後数日では140~150mg/dlであるが、成長とともに成人の値に近づく。
【評価】血清リン脂質の主なものはレシチン、スフィンゴミエリン、リゾレシチンなどであるが、測定は全体のリン脂質の値を示している。閉塞性黄疸で胆汁うっ滞があると、コレステロールとともに血清リン脂質が増加し300mg/dl以上になる。その他本態性脂質代謝異常、動脈硬化症、甲状腺機能低下症、糖尿病でも上昇する。しかし肝実質障害で機能低下があると生合成が障害され血清リン脂質は低下する。肝機能障害のほか甲状腺機能充進症、貧血、白血病、栄養障害などで低下する。