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血清レシチン・コレステロール・アシルトランスフェラーゼ

【読み】
けっせいれしちん・これすてろーる・あしるとらんすふぇらーぜ
【英語】
lecithin cholesterol  acyltransferase、LCAT
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義】LCATは血中リポ蛋白の代謝に関係する酵素である。主な血中脂質は、(1)トリグリセリド、(2)遊離コレステロール、(3)コレステロールエステル、(4)リン脂質の4種である。これらはリポ蛋白と呼ばれる球形の大分子複合体として運ばれる。リポ蛋白の表面は親水性の遊離コレステロールとリン脂質とが結合した種々の蛋白質から成る一層の膜で包まれている。その内核は疎水性の脂質であるトリグリセリドとコレステロールエステルから成る。
これらのリポ蛋白を超遠心の成績をもとに分類し、VLDL(veryl low densityl ipoprotein)、LDL(llow densityl ipoprotein)、そして最も密度の高いHDL(high density lipoprotein)とよぶ。リポ蛋白は動脈硬化の進捗と関係が深い。すなわちHDL以外のリポ蛋白は動脈壁に沈着して硬化を進展させるが、HDLは動脈壁に沈着せず、しかも沈着している脂質を組織から除去するのに役立っていると考えられる。
LCATは血中でHDLと結合し主としてHDL表面のレシチンと遊離コレステロールを基質として反応を行い、さらに他のリポ蛋白(VLDL、LDL)にも作用してコレステロールをエステル化しその除去を促進することにより脂質の運搬に役立つ。
【適応疾患名】肝細胞障害を伴う肝疾患。
【正常値】50~120単位(nmol/時間/ml)
【評価】LACTは肝で生成されて血中に放出される。肝疾患のうち肝細胞障害で低下傾向を示し、劇症肝炎、肝性昏睡など障害が重篤になれば著明に低下する。しかし単純閉塞性黄疸では活性値の低下がみられない。また本酵素の欠損症が知られている。