血中アンモニア
- 【読み】
- けっちゅうあんもにあ
- 【英語】
- ammonia(NH3)
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義】生体でアンモニアはアミノ酸の脱アミノ反応deaminatiionによって肝で作られ、腎ではグルタミン酸から生成され、また腸管内では細菌の作用によって産生されたアンモニアも体内に吸収される。その大部分は肝臓で尿素に合成されて腎から尿中へ排泄される。腎で生成されたアンモニアはそのまま尿中に排泄される。
血中にアンモニアのままで存在する量はきわめて少なく、正常で0.4~1.4μg/mlにすぎない。アンモニアは強い毒性をもち、血中に20μg/ml以上で肝性昏睡にみられるような脳症状を呈する。
【適応疾患名】高度の肝機能障害時の肝性昏睡、肝脳症候群などの診断。
【正常値】NH3-N 0.4~1.4μg/ml
NH3値はNH3-N値に17/14を乗じて求める。生理的に筋肉運動後、高蛋白食後に高い。
【評価】血中アンモニアは肝で迅速に尿素サイクルによって尿素に合成されるが、重度の肝機能障害があると尿素生成能が低下して血中アンモニアは上昇する。しかし軽度の肝障害では肝での処理能力は低下しないので、ほとんど影響を受けない。また門脈副血行路の発達を来す肝硬変症などの疾患では、腸管内生成アンモニアが直接大循環系へ流入するため上昇する。
以上のほか先天性尿素サイクル酵素欠損症の場合にも上昇する。
また消化管内に大量の出血があると、腸管内蛋白が増加しアンモニア生成が増え、血中アンモニアの上昇がみられる。