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血中抗凝固因子

【読み】
けっちゅうこうぎょうこいんし
【英語】
anticoagulants(inhibitorso of coagulation)in blood
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【同】凝固阻止因子、凝固抑制物質
凝固・線溶機序の各段階の活性因子(XIIa・XIa・IIa、プラスミンなど)を単独に、または複合的に抑制する因子をいう。これらの因子のうち、生理的に血漿中に存在し、凝固・線溶系の調節因子として重要な役割をもち、これら因子の異常な増加または減少は出血傾向や血栓形成傾向に関係するといわれている。
1.生理的な抗凝固因子:抗トロンビンIII(AT III)、α2-マクログロブリン、α2-アンチブラスミン、α1-アンチトリプシン、α1-アンチキモトリプシン、インター-α-トリプシン、インヒビターCl、Tl-インアクチベーター、プロテインC、FgDP。
2.病的な抗凝固因子:循環抗凝固因子(循環抗凝血素)と呼ばれる。正常人の血中には存在しない凝固阻止物質で、血友病A、Bなどの先天性凝固因子欠乏症の因子補充療法によって血中に出現するもので、凝固因子に対する抗体の形をとるものが多い。同様の自己抗体が慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患、ペニシリン過敏症、分娩後、高齢者に出現し、血友病様の出血傾向を伴うことがある。また、特定の凝固因子(VIII、IV、V因子など)を阻害するものと、凝固因子の活性化を阻害するものがある(プロトロンビン活性化複合体のリン脂質成分)。