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血流量測定

【読み】
けつりゅうりょうそくてい
【英語】
measurement of blood flow
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】 循環器系の測定において血圧と血流の関係は電気の電圧と電流に相当し、抵抗が大きければ電圧が高くても電流は流れないのと同様に末梢血管抵抗が大きければ高い血圧が生じても血流は流れない。したがって、血行動態の研究には血圧のみの測定では不十分で、血圧と血流の同時測定が不可欠となってくる。特に臓器あるいは組織の血流量を測定することは局所循環の程度を判定するうえで重要である。
【検査法】 血流量測定法には希釈法、滴下法、温度拡散法、プレチスモグラフ、電磁法、ドップラー法、水素ガスクリアランス法などがあり、このうち臨床的には希釈法(色素、熱)、電磁法、ドップラー法が主に用いられている。希釈法では血管の一定部分を高周波電流で加温しその部の上下で血流に生じた温度差を熱電対で測定する熱電対血流計が使用される。電磁法はFaradayの電磁誘導の法則を応用したもので、血管にプローブを密着させ、電流を流して発生した磁界に直角に流れた血流によって生じた起電力を測定することによって血流量を求める。ドップラー法は非観血的に体表面においたプローブから血管に向けて超音波(1~10MHz)を発し、ドップラー効果を応用して血流速度を測定する超音波ドップラー法と超音波の代わりにレーザー光を用いたレーザードップラー法がある。超音波ドップラー法は連続波ドップラー法とパルスドップラー法に大別される。レーザードップラー法は毛細血管血流量を測定できる。
【正常値】 安静時の臓器血流量(Guyton)
 脳:700ml/min(心拍数の14%)  心:200ml/min(4%)
 気管:100ml/min(2%)  腎臓:1100ml/min(22%)
 肝臓:1350ml/min(27%)  筋肉:750ml/min(15%)
 骨:250ml/min(5%)  皮膚:300ml/min(6%)
 甲状腺:50ml/min(1%)  副腎:25ml/min(0.5%)
 その他:175ml/min(3.5%)
【結果・評価】 脳、心、腎などの重要臓器の血流量の変化は生体に重大な影響を及ぼす。