嫌気性菌培養検査
- 【読み】
- けんきせいきんばいようけんさ
- 【英語】
- cuture test of anaerobic bacteria
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】口腔領域の感染症には嫌気的な条件が多く、種々の嫌気性菌が関与している。以前は培養技術の関係から、嫌気性菌の検出率は低かったが、今ではPeptococcus、Peptostreptococcus、Bacteroides、Villoneillaなどが病巣から検出されることが多く、これらの菌が感染の主役をなしていると考えられるようになった。
【適応疾患名】歯性化膿性炎-歯槽骨炎、顎骨炎、顎骨骨髄炎、放線菌症。
【検査法】検体を採取してから検査室に送るまでの経過が問題で、検査結果が左右される。膿瘍は使い捨て滅菌注射器で、穿刺吸引する。注射器の中に空気が入らず、かつ短時間で検査が可能なら、注射針の先にカバーをするかゴム栓などを刺して、検査室へ送る。そうでないときは嫌気性培地の入った小型密閉試験管(TSCポーターなど)に注入して運搬する。
培地はトリプトケース・ソイ、チオグリコレートなど、酸化還元電位を低くする還元剤を加えた培地を使用する。菌量が十分あれば、材料を直接分離用培地に移し、少量の場合はTSCポーターをそのまま37度Cのインキュベーターに入れて増菌する。
分離用には寒天平板に白金耳で画線し、嫌気用ジャーに移す。この操作の間はどうしても空気と接触するから、なるべく手短かに行う。本格的な嫌気培養ジャーは密閉後、内部の空気を抜き、ガスを代わりに注入する。普通N295%、CO25%のものが用いられる。残余の微量の酸素は触媒で吸収する。ガスパックはH2、CO2の発生袋、嫌気指示薬、触媒のキットで、プラスチックジャーの中にいれるだけで嫌気的条件が得られる。
放線菌は通性嫌気性なので、それほど厳密でないほうがよい。膿を滅菌シャーレに開いて肉眼的に菌塊を探索し、あれぱピンセットでつまんでBHI寒天平板に移し、白金耳でつぶしながら塗抹する。ジャーに充填するガスはO25%、CO210%、N285%。
培養はジャーごと37度C孵卵器にいれて、16~24時間(放線菌は5~7日間)行う。
【結果・評価】培養不成功の理由は材料採取から検査開始までの条件による。また抗生物質使用中や直後は培養できない。混合感染では培養条件に合致した菌が増殖し、他の菌が消滅してしまうことがある。培養条件を変えて繰り返し検査する必要がある。