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犬歯咬合関係の診査

【読み】
けんしこうごうかんけいのしんさ
【英語】
examinatiion of canine relation
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義】犬歯は歯列弓における前歯群と側方歯群との境界部に存在するため、機能的および審美的に重要である。特に矯正治療においては、犬歯咬合関係は治療後の咬合の安定に最も影響を与える。
通常、不正咬合はAngleの分類に従って第1大臼歯の咬合関係で分類されるが、多くの症例では叢生や捻転を伴っており、犬歯が不正な位置にある場合が多い。治療による移動量が大きく、かつほかの切歯の後戻りの影響を受けやすいため、犬歯部以外の誘導によってデスプレイスメントを起こしやすい。したがって、犬歯の関係を診査し、かつ、治療後適正な位置が保たれることが必要である。
【検査法】犬歯咬合関係を診査するとき、近遠心的咬合関係では、上下顎犬歯尖頭の位置よりAngleの分類に準じてI級、II級、III級に分類すると臨床上判断しやすい。
また、唇(頬)舌的咬合関係では、歯軸が前頭面で約85°、矢状面で約90°となり、左右側犬歯部でのoverjetが約1mm、overbiteが約3mmであることが好ましい。
口腔内においては、中心咬合位ならびに機能運動時における近遠心的、唇(頬)舌的咬合関係を診査する。また、口腔内膜型におけるtooth  size  ratio(anterior ratio)の分析により、犬歯I級関係が成立する歯牙素材か否か判定し、必要であれば形態修正を行う。矯正治療においては、犬歯を前歯群と側方歯群のいずれとして考えるかによって、治療後の歯列弓ならびに咬合が異なってくる。
1)犬歯を側方歯群と考えるとき:犬歯、小臼歯を1つの直線上にのせた歯列弓となる(白人様の歯列弓)。
2)犬歯を前歯群と考えるとき:左右の犬歯間を1つの円弧とした排列となる(犬歯小臼歯間に多少のtoe-inを必要とした排列となる)。
短頭型の日本人においては、歯槽弓の形態すなわち海綿骨の形態からみて、犬歯を前歯群と考えて排列したほうがよいと考えられる。
治療後の犬歯咬合関係維持のために保定が重要である。犬歯間幅径を拡大した場合はボンダブルリンガルリテーナーなどによる舌側からの保定、空隙歯列弓のように犬歯間幅径を縮小した場合にはベッグタイプリテーナーなどによる保定が必要である。また、隣接面のstrippingなどの歯冠形態修正や筋練なども有効である。