現症の診査
- 【読み】
- げんしょうのしんさ
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】通常医科において、“現症をとる”という場合、“臨床検査”と相対する言葉として用いられ、患者受診時の身体的所見(現症、status praesens)を診察すること(physical examination)をいう。すなわち、診察と検査とは区別される。これに対し、歯科においては慣例的に診査という言葉が用いられ、診断確定のためになされる診察および検査を含めて表現される場合が多い。すなわち、現症の診査とは、患者受診時の全身的ならびに局所的所見について、診察し検査することをいう。
【意義】患者の診断に際しては、病歴(主訴、社会歴、生活歴、現病歴、既往歴、家族歴が含まれる)をとり、診察し、検査が行われる。診断の確定は身体的所見からの診断(physical diagnosis)と、検査結果からの診断(laboratory diagnosis)との両者からなされる。なかでも、注意深い観察(診察)によって確かめられた異常所見は、病歴や検査結果に比し、はるかに診断的価値が高い。
【診査法】全身状態、精神状態、皮膚・爪・毛、頭部、顔面、所属リンパ節、顎関節、口腔・咽頭などの状態を、視診、触診、打診、温度診、聴診などによって診察するとともに、齲蝕活動性試験、X線検査、血液・尿その他のいわゆる臨床検査、口腔模型分析などを行い、現症の診査を行う。主訴、症状などにより診査内容が異なることはいうまでもない。