咬合音検査
- 【読み】
- こうごうおんけんさ
- 【英語】
- occlusal sound check
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】咬合音とは上下顎の歯が接触あるいは滑走したときに生じる振動音や顎関節音のことである。最近では咬合音を骨伝導音として、眼窩下部などで採取し、オシロスコープやペンレコーダーを用いて、視覚的に表現し、咬合接触状態の診査や診断を行う方法が採用されている。
【意義・目的】咬合音の波形、持続時間、強さ、局波数、到着時間を分析することにより、咬含の診査すなわち早期接触等の咬合異常を知る1つの資料となる。
【適応疾患名】外傷性咬含を伴う辺縁性歯局炎、特に早期接触やブラキシズムの診査。補綴物装着時の咬合関係の診査。
【検査法】市販されている咬合音診断器は、咬含音を骨伝導音として眼窩下部あるいは頬骨弓部で採取し、内蔵のプリンターで咬合音波形を記録する。この波形として取り出した咬合音の振幅の大小、持続時間の長短、左右側の立上がりの差を観察し、客観的に評価できる。
【正常値・結果・評価】咬合音の波形をインパクト型(鋭い立ち上がりで、振幅が大きく、持続時間が短い)、スライド型(振幅が小さく、持続時間が長い)、およびインパクト型とスライド型の混合形に分けられる。咬合接触状態が安定なときはタッピング時に、インパクト型の咬合音波形が観察される。早期接触など、滑走を伴う不安定な咬合接触では、スライド型、混合型の波形がみられる。咬合音は生体の伝導系を介して採取されるため、左右の波形の振幅や持続時間の大小が、必ずしも早期接触の存在する側と一致するとは限らない。したがって咬合接触描記法や、咬合接触時の歯の動きや振動の触診、下顎運動路なども併せて検討するのが適切と思われる。