抗ストレプトキナーゼ価
- 【読み】
- こうすとれぷときなーぜか
- 【英語】
- antistreptokinase、ASK
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】A群溶血連鎖球菌感染症の血清学的検査の1つである。溶血連鎖球菌感染症では、ストレプトリジンOを始めとして種々の菌体外毒素を産生する。その1つであるストレプトキナーゼに対する抗体価を測定することにより溶血連鎖球菌感染の有無を判定する。
【検査法】いくつかの方法が行われてきたが、現在キットが市販されている。ホルマリン・タンニン酸処置の赤血球にVaridase(R)(C群溶血連鎖球菌のストレプトキナーゼとストレプトドルナーゼAの混合製品)を感作し、受動的赤血球凝集反応によって患者血清中の抗ストレプトキナーゼ価を測定する。本法は、A群とC群のストレプトキナーゼの間には交差反応があり、またヒトではストレプトドルナーゼAに対する抗体はほとんど生じないことから、A群ストレプトキナーゼに対する抗体価を測定しているとみなされる。患者血清の倍数希釈系列を作製し感作血球を加え十分に混合した後、凝集を示す最高の血清希釈倍数を抗体価とする。
【結果・評価】上記方法の場合1280倍以下を正常とするが、方法により正常値が異なるので注意を要する。また経過を追い2週間隔で2回以上測定して4倍以上の差が生じたとき、A群溶血連鎖球菌感染があった可能性が高い。感染後1~2週間で陽性化するが、その持続期間については種々の報告があり一定していない。時期、菌種により低値を示すこともあるので、A群溶血連鎖球菌感染の証明には、他の菌体外毒素、酵素の血清反応(ASOなど)の測定を同時に行うことが望ましい。