専門情報検索 お試し版

抗ストレプトリジンO価

【読み】
こうすとれぷとりじんおーか
【英語】
antistreptolysin-O、ASO、ASLO
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】 A群溶レン菌の感染を受けた患者の大部分はストレプトリジンO streptolysin-O(SLO)に対する特異抗体を産生し、これを抗ストレプトリジンO antistreptolysin-O(ASO)または(ASLO)と呼ぶ。
【意義・目的】 大部分のA群溶レン菌およびヒト由来のCおよびG群溶レン菌の少数の菌株は、菌体外毒素としてストレプトリジンO(SLO)およびストレプトリジンS(SLS)を産生し、SLOは強い抗原性をもっている。A群溶レン菌の感染を受けた患者の大部分はSLOに対する特異抗体(ASO)を産生し、この抗体価を測定して溶レン菌感染症の診断に応用する。
【検査法】 Rantz-Randall法が一般に広く用いられている。原理は血液中のASOによるSLO中和反応を行い、溶血阻止法によって抗体価を測定する。
1)材料
(1)ストレプトリジンO:β溶レン菌培養濾液を凍結乾燥したもの。
(2)赤血球:ヒト(O型)およびウサギより採取し、洗浄後5%浮遊液として用いる。
(3)リン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH6.5。
(4)血清、56℃、30分間、加熱非道化する。
2)方法
(1)血清希釈:PBSにて10倍、100倍および500倍の希釈血清を作る。
A)10倍:患者血清0.5ml+PBS4.5ml
B)100倍:A)液1.0ml+PBS9.0ml
C)500倍:B)液2.0ml+PBS8.0ml
3)本試験は患者希釈血清とPBSを混じ、次いでSLOを加え、37℃で15分間反応させる。その後5%赤血球を加え、37℃、45分間反応させ、1500rpmで1分間遠沈し溶血を判定する。
【正常値】生後3カ月~10カ月:100単位以下、8歳~12歳:学童の80%が160~333単位。成人:166単位以下。
【結果・評価】感染後1週以内の急性期と回復期の抗体価を比較して、感染の有無を診断しなければならない。
1)ASO価の非特異的上昇をみる場合:枯草菌、緑膿菌などによって汚染された血清および胸膜滲出液。肝炎、ネフローゼ、大葉性肺炎、結核、淋疾、結節性紅斑、白血病などの患者血清、陳旧性胸膜炎滲出液。
2)ASO価の上昇が認められない場合:SLO非産生溶レン菌序染。発病早期から抗生物質、副腎皮質ホルモンを没与したとき。原因不明の非特異的溶血抑制作用によるもの。