酵素抗体法(酵素免疫測定法)
- 【読み】
- こうそこうたいほう(こうそめんえきそくていほう)
- 【英語】
- enzyme-labelled antibody method、enzyme immunoassay、EIA
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 酵素で標識した抗原あるいは抗体を用いて、抗原抗体反応を基盤として、標識した酵素活性を測定することにより、抗原あるいは抗体量を測定する免疫組織化学法の1つである。標識酵素として用いられる酵素には、西洋ワサビペルオキシダーゼhorseradish peroxidase(HRP)、β-galactosidase、alkalin phosphatase、acid phosphatase、glucose oxidaseがある。
本法は、染色標本が通常の光学顕微鏡で観察できる、核染色を行うことによって抗原物質の局在と組織像との関係が観察できる、永久標本として保存できる、電顕レベルでの観察にも利用できる、などの利点がある。
次の方法が用いられる。
1)直接法:個々の抗体に直接酵素を化学的に結合させる必要があるうえに、感度的に劣るために、実際には免疫電顕法pre-embedding methodの場合以外あまり用いられない。
2)間接法:酵素標識二次抗体にHRPを化学的に漂識し、一次抗体と反応させる。
3)PAP(peroxidase-antiperoxidase)法:HRPを直接抗体に標識することなく、全反応が抗原抗体反応のみである。
4)ABC(avidin-biotinylated peroxidase complex)法:アビジン(卵白蛋白で4個のビオチン結合部位を有す)ないしストレプトアビジン(細菌由来のアビジン様蛋白)とビオチン(ビタミンH)の間に形成されるきわめて強固な特異結合を利用した方法である。