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好中球殺菌能検査(歯肉)

【読み】
こうちゅうきゅうさっきんのうけんさ(しにく)
【英語】
neutrophil bactericidal capacity(gingiva)
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】歯肉由来の好中球に細菌とオプソニンを直接加え、捕食と細胞殺菌能をみる検査法である。
【意義・目的】歯肉由来の好中球の機能不全状態を調べるには不可欠なものであり、好中球遊走から消化までの一連の機能を総括的に認識することができ口腔内疾患と全身疾患との関連性についての補助診断となりうる。
【適応疾患名】白血病、重症感染症など。
【検査法】歯肉部の穿刺後採血により、または炎症歯肉組織の摘出により好中球を採取する。いずれにしろ数を得るのは難しい。殺菌能検査に用いる細菌としては、(1)H2O2を産生せず、catalase活性をもつ菌群、(2)H2O2を産出し、catalase活性をもたない菌群、(3)その他、Candida albicansなどである。詳細は、末梢血のところで述べる。
1)細菌0.1ml(3~10×106)
  血清0.1 ml(オプソニン化のため)
Hanks液0.3ml
混和し37℃10分間培養
2)1)に2.5×106/0.5mlの好中球を加える。
好中球と細菌の比率(1:4~5)。この混合液を軽く振盪をさせながら反応させ、0、30、60、120分に混合液から0.1mlずつ取り出し、冷却Hanks液で3回洗浄した後、好中球を破壊し10~100倍希釈し、普通寒天培地で混釈培養する。
3)37℃1昼夜培養後、生菌数を算出する。
【正常値】用いる細菌によりばらつきはあるが、培養90分で85%以上の細菌が殺菌される。
【結果・評価】培養0分、30分、60分、120分の4検体を調ベ、生菌数の減少を比較する。実験時には、必ず対照として健康人の細胞を用いる。