専門情報検索 お試し版

咬翼(撮影)法

【読み】
こうよく(さつえい)ほう
【英語】
bite-wing technique(radiography)
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】咬翼(撮影)法は口内撮影法の1つで、上下顎の歯の対合する状態で歯冠部、歯頸部およびその周囲の骨組織、あるいは充填物、補綴物などの診査に用いる。また上下の歯の咬合の状態を観察するのに適した撮影法である。
【適応疾患名】隣接面齲蝕、歯槽頂縁の骨の状態、歯頸部の齲蝕、歯頸部の歯石、補綴物あるいは充填物の装着状態の観察に適している。すなわち、歯の隣接面の状態、歯頸部および歯槽頂縁の状態、上下の歯の咬み合わせの状況、充填物あるいは補綴物の状況の観察に用いる。
【検査法】上顎の咬合平面が床面と平行になるように、すなわち鼻翼・耳珠線を水平にして頭部を撮影椅子の安頭台に固定する。
フィルムは咬翼法の「翼(wing)あるいはタブ(tab)」の付いたフィルム(臼歯用BW3 54mm×27mm)を用いるか、歯科用標準サイズのフィルム(32mm×41mm)、あるいは前歯部の撮影では小児用フィルム(22mm×35mm)に市販のタブをつけたフィルムを目的部位の歯の舌側に置き、フィルムタブを頬側に引き、これを歯で咬み、固定させる。このときフィルムと歯列は並行になるようにする。X線の入射点は、隣接面部が重ならないように注意し、正放線投影で目的部位の中心の咬合平面にやや上から下方に+5°~+10°の角度で主線をフィルムに向け投影する。
この検査法は歯冠部と歯頸部、その周辺部のみに限られるので、歯根尖部に近い部分は投影されない。したがって、歯根尖部付近については根尖投影法などでの診査が必要である。