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ゴシックアーチ描記法

【読み】
ごしっくあーちびょうきほう
【英語】
gothic arch tracing method、GoA
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】定められた咬合高径における下顎の限界運動軌跡を切歯点付近にて水平面に描記し、下顎の水平的位置関係を求める方法。
【意義・目的】水平的な下顎の位置関係を客観的に求め、下顎運動の診断および咬頭嵌合位の決定に利用する。また、側方限界経路上の任意の位置を利用し、咬合器の顆路調節にも応用される。
【検査法】上下顎に描記装置(上下顎いずれかに描記針、対顎に描記板)を固定し、下顎運動を行わせることによって、描記針の運動軌跡が描記板上に記録される。手順は、【1】咬合高径決定の後、描記装置を装着して軽く咬合したまま下顎を前方および左右側方に運動させ、上下記録床の衝突や動揺がないことを確認する。【2】患者に下顎の動かし方を十分練習させる。【3】描記板に記録用インクを塗布して実際の記録に移る。まず、前方にそれから後方に移動させ、次いで右または左側方に移動させて、ふたたび後方に戻させる。【4】反対側も同様に行わせる。
この時、タッピング運動の咬打点(タッピングポイント)をも記録しておくと診断に有効である。
【正常値】頂点(Apex)をもった矢印状の図形が描かれる。左右側方運動経路のなす角(切歯部にて描記された場合は側方切歯路角に相当する)は、本法の命名者であるGysiによれば個人差があるものの平均約120度とされるが、咬合高径や描記針の取り付け位置などによっても変化する。
【結果・評価】描かれた図形は限界運動軌跡であって再現性が高く、その頂点は患者の自力による下顎の最後退位であることから、咬頭嵌合位の決定に有力な参考となる。しかし、頂点と咬頭嵌合位との位置関係については見解が一致しておらず、咬頭嵌合位の決定にあたってはタッピングポイントを参考にすることも推奨される。また、描記された図形の対称性などの判読により、顎関節や咀嚼筋の異常、習慣性咀嚼の有無などの判定に役立つ。なお、明瞭な頂点が得られない場合は限界運動をしていないか、装置の動揺などの不正が原因と考えられる。