骨シンチグラフィ
- 【読み】
- こつしんちぐらふぃ
- 【英語】
- bone scintigraphy
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【同】骨イメージング
【意義・目的】X線写真で骨病変を診断するには、骨ミネラルの30~50%の変動がないと不可能である。骨ミネラルのturn-overは大そう緩やかなものだが、骨病変部では亢進する。骨親和性核種を含む放射性医薬品は、骨ミネラルのturn-overの亢進部に強く集積する。そのために骨シンチグラフィは、X線写真ではとらえることのできないごくわずかな骨ミネラルの増減をも検出することができる。
【適応疾患名】口腔癌の顎骨浸潤の早期診断、口腔癌の全身の骨での転移巣の早期発見、顎顔面領域にみられた線維性骨異形成症の多骨性か単骨性かの鑑別、顎骨骨髄炎の早期診断。
【検査法】放射性医薬品には、99mTcリン酸化合物を使用する。ここでは現在最も繁用されている99mTc-methylene diphosphonate(99mTc-MDP)について記述する。(1)MDPのキット化された試薬中に99mTc-pertechnetate(99mTcO-4)溶液を加えて振蘯をして99mTc-MDPをつくる。(2)体重kg当り9.25MBq(0.25mCi)を静注投与する。(3)静注投与後3~4時間後に低エネルギー用コリメータを用いて全身用シンチカメラで前面および後面像をスキャンスピード32cm/minで撮像する。(4)病巣が発見されたら、そこを中心にマルチスポット像を撮像する。(5)顎顔面部局所像は正面と左右両側面を450kcountのドットを集めて撮像する。
【評価】99mTc-MDPは骨ミネラルのturn-over亢進部に集積するので、原則としてどのような骨病変でも陽性像となる。したがってシンチグラムからは質的診断はできない。尿路系から排泄されるため、骨盤骨の所見の必要なときは、検査直前の排尿が必要。