骨髄シンチグラフィ
- 【読み】
- こつずいしんちぐらふぃ
- 【英語】
- bone marrow scintigraphy
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】造血系細胞あるいは網内系細胞に取り込まれる放射性医薬品を静注投与して、骨髄をシンチグラム装置で描画して、造血機能をもつ赤色骨髄の分布状態を知る。
【適応】(1)血液および骨髄疾患での造血機能の評価、(2)悪性腫瘍の骨転移巣の検索、(3)骨髄穿刺部位の決定などに用いる。
【検査法】
1)造血系の描固には111In-chlorideが用いられる。74~185MBq(2~5mCi)を静注投与。48時間後にシンチカメラで撮像する。
2)網内系の描画には99mTcスズコロイドを用いる。185~370MBq(5~10mCi)を静注投与。30分後にシンチカメラで撮像する。
【評価】造血機能を評価するには鉄の放射性核種を使用するのが理想であるが、イメージングに適さず、代わりに111Inや99mTcが用いられている。両者のγ線エネルギーと半減期がイメージングに適しているうえに、前者はトランスフェリンと結合して赤芽球に集積し、後者は造血能が骨髄の網内系機能と平行するためにそれぞれ代用されている。造血機能の存在部位は陽性像として描記される。正常人では脊椎、胸骨、骨盤骨への集積が強い。頭蓋骨、肩甲骨、大腿骨頭、上腕骨頭にも軽度の集積がある。その他の部位ではみられない。以上の結果は剖倹による造骨骨髄分布成績と一致する。造血機能の低下や消失部位は欠損像(cold image)として描画される。悪性腫瘍の骨転移巣や放射線治療による機能低下部位は欠損像となる。