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骨年齢の診査

【読み】
こつねんれいのしんさ
【英語】
examination of bone age
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【同】骨齢の診査、生理的年齢の診査
【意義・目的】個体の年齢は時間の経過を基準にした暦年齢が広く用いられている。これに対して、個体の発育状態や生理的な身体状態を基準に成熟度を計る尺度があり、生理的年齢と称している。
生理的年齢の判定基準としては、身体計測値、歯の萌出状態(歯牙年齢)、二次性徴発現時期などがあるが、臨床上広く用いられている方法として、長年月にわたって成熟度の評価が可能で、臨床上も簡便な方法として、骨のX線写真上で各骨核の成熟度合を評価する骨年齢評価法がある。
【評価法】骨年齢の評価には、同一部位に多数の骨核があること、X線写真の撮影が容易であること、X線被曝に対して安全な部位であることなどの理由から、左の手根部が選ばれることが一般的である。
臨床的に簡便な評価方法としてはアトラス方式が一般的である。この方法は、多数の健康小児から得られた各年齢ごとのX線写真から各骨核の標準発育を示すアトラスを描記しておき、被検個体のX線写真と対比して年齢を求める方法である。
また、最も簡単な方法としては、手根骨の骨核(8個)および橈骨、尺骨遠位骨端骨核の出現骨核数を調ベ、平均出現数と対比して評価する方法が用いられている。手根部の骨成熟は身長の第二次スパート、二次性徴発現と関連が深く、最大思春期成長の約1年前に拇指尺側種子骨の石灰化が開始する。
また、二次性徴発現との関連としては以下の特徴がある。
男子:声変り、喉頭隆起の開始は拇指尺側種子骨の出現後である。
女子:初潮は拇指尺側種子骨出現後で、指骨中節骨端の融合開始時期に略一致する。
矯正歯科領域における骨年齢の観察は、下顎骨の思春期性発育の予測に際して重要である。