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細菌数検査(唾液・歯垢)

【読み】
さいきんすうけんさ(だえき・しこう)
【英語】
examination of bacterial population
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【同】ハードリーテスト
【意義・目的】細菌数検査は、通常、コロニー形成数(colony-forming unit:CFU)を利用した生菌数の測定により行われる。生菌数の測定は、定量的な実験を行うための基本的手技であるため、唾液および歯垢を利用した細菌学的な基礎実習もよく行われる。また、臨床においても、病巣および病変部の細菌叢を検索するために応用される。
【検査法】
1)唾液を滅菌ビーカーなどに集める。歯垢は目的部位のものを、滅菌楊枝または滅菌スケーラーなどで採取する。
2)一定量の唾液および一定量の滅菌溶液中の歯垢を、ホモジナイザー、ミキサーあるいは超音波を用いて均一な菌浮遊液とし、これを試料原液とする。
3)試料原液の一定量を、その9倍量の滅菌希釈液中に移して再び均一化する。この希釈された菌浮遊液を、さらに新しい滅菌希釈液で10倍希釈する。この操作を連続的に繰り返す(連続10倍希釈法)。
4)試料原液および各希釈試料の一定量(通常は0.1ml)を目的に適した寒天平板培地上に接種し、滅菌コンラージ棒で塗り広げる。
5)唾液および歯垢中には、偏性嫌気性菌が多く存在するため、嫌気的に37度Cで約1週間培養する。なお、試料採取以下、すべての操作を無菌的かつ嫌気的に行う必要がある。
【正常値】培養条件により異なるが、通常、唾液では107~109個/ml、歯垢では1010~1012個/gの培養可能な細菌が確認できる。
【結果・評価】100個前後(50~300個)のコロニーが生育している培地を選び、そのCFUに希釈倍数を乗ずれば接種試料中の総菌数が算出できる。
例)唾液1mlを均一化し、その106倍希釈した試料の0.1mlを平板培地に接種することにより、80個のコロニーが生育した。
試料原液(唾液)中の細菌濃度は80×106×1.0(ml)/0.1(ml)=8.0×108個/mlとなる
ハードリーテストは、選択培地を使用し、唾液中の乳酸桿菌数を測定する
もっとも古い齲蝕活動性試験の1つであるが、現在はほとんど利用されていない。