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最大換気量測定

【読み】
さいだいかんきりょうそくてい
【英語】
maximal voluntary ventilation, MVV
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【同】 最大呼吸量
【定義】 1分間に自発的に最大限行いうる換気量。
【意義・目的】 換気能力を調べるために測定される。その値は、気道の抵抗、肺・胸郭コンプライアンス、呼吸筋力などによって左右される。そのため、測定により総合的評価を得ることは可能であるが、個々の呼吸器疾患を鑑別することはできない。
【検査法】
 1) 測定用器具に被検者の口をつけさせて、鼻をおさえる。
 2) 可能な限り、深く速い呼吸を行わせる。このとき12秒間に20回の呼吸速度で行わせると最大値が得られるといわれている。
 3) 12秒間測定し、そのときの換気量を1分間に換算する。
【結果・評価】 正常値は成人で約80~120l/minである。測定値は、性別、年齢、身長、体重によって影響を受ける。そのため以下に示すごとく予測値(標準値)を求め、その予測値に対する測定値の百分率で示したもの(%MVV)がよく用いられる。
 MVV予測値(Baldwin式)
 男:[86.5-(0.522×年齢)]×体表面積(m2
 女:[71.3-(0.474×年齢)]×体表面積(m2
 %MVVの正常値は80%以上で、60~80%を軽度障害、60%以下を中等度障害とする。特に気道閉塞により高度に減少する。
 なお、この検査による被検者の受ける負荷はかなり大きく、そのため重症肺気腫、心不全合併症患者に対して行うことは危険である(間接法により算出する)。