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サイログロブリン

【読み】
さいろぐろぶりん
【英語】
thyroglobulin, TG
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】 ヒトサイログロブリン(HTg)は、甲状腺濾胞上皮細胞で合成され、濾胞腔にコロイドとして貯蔵され、多くの甲状腺疾患で血中に増加する。HTgは甲状腺の正常な分泌成分であり、TSHの調節を受けている。甲状腺癌で血中HTg濃度が上昇し、術後正常化する。
【適応疾患名】 甲状腺腫瘍およびその転移の診断。
【検査法】 BiogelA-5mを用いてのゲルクロマトグラフィーか、硫安沈澱、ショ糖密度勾配遠心法によって精製されたHTgはRIAの標準品として用いられる。その溶媒としての緩衝液には、0.1MKCL-0.05Mリン酸塩、pH7.4が用いられている。HTg-free血清は、血清を102000×gにて260分(23℃)遠心し、上清の上2/3をとることにより得られる。HTgの125I標識には、一般にlactoperoxidase法が利用されている。
【正常値】 報告者によって正常値の平均値、正常域はまちまちである。
【結果・評価】 甲状腺分化癌の血中HTgは高値であるが、甲状腺腺腫、Basedow病、亜急性甲状腺炎でも上昇するので、HTgは甲状腺分化癌のmarkerとはなり得ない。転移の認められない血中HTgは正常かきわめて低値になるが、転移の認められる症例では、術後も血中HTgは高値である。このことは、術後甲状腺分化癌の再発、転移巣のmarkerとして、HTgの臨床的有用性を示す。