残存象牙質の厚さ測定
- 【読み】
- ざんぞんぞうげしつのあつさそくてい
- 【英語】
- measurement of remaining dentin thickness
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】歯が齲蝕に罹患したとき、その歯の軟化象牙質を完全に除去した後に、歯髄までの距離を知る必要がある。窩底から歯髄までの距離を知ることにより、覆髄が必要か否かなどを判断することができる。このようなとき、残存象牙質から歯髄までの距離を測定するために用いられるのが、インピーダンス値を応用した方法である。
【適応疾患名】歯髄充血、急性漿液性歯髄炎、急性化膿性歯髄炎、慢性潰瘍性歯髄炎。
【検査法】次のような術式に従って、残存象牙質と歯髄までの距離を測定する。使用器具はルートカナルメーター、エンドドンティックメーターなどを使用する。
1)ラバーダム防湿を行う。
2)齲蝕内の食物残渣を除去する。
3)齲窩内に生理食塩水を満たす。
4)口角に口角導子をはさみ、陰極をつなぐ。
5)齲窩内に陽極導子挿入し、器具の目盛りを読む。
【検査結果】エンドドンティックメーターの場合、目盛りの読みが30以上であると露髄を示し、ルートキャナルメーターの場合には32以上であると露髄を示す。それぞれ、それ以下のとき、露髄のないことを示す。すなわち、窩底と歯髄の間に健康な象牙質の一層があることを示す。
窩底と歯髄との距離については、高木、辻らの報告がある。すなわち、高木は交流電気抵抗測定器具を用いて、窩底と歯髄との距離を測定したところ、インピーダンス値が上昇すると、その距離も大きくなると述べている。さらに、辻らはカリエスメーターN型も用いて、インピーダンス値が上昇に伴い窩底象牙質の厚さが増加する傾向にあると述べている。